魚人日記

生き物、乗り物、その他趣味を好き勝手記録する魚人の遊び場

な、なぜこんなところに……!(東京採集後編)

 

さて、後編です。

たなごころ氏がアオダイショウを捕まえてから数十分、とうとう井草の採集マン氏と合流!遠路はるばる自転車でやってきていました。

せっかくなので合流場所でもガサをすることに。

 

ここでは……

 

(採集時の写真がなかったため飼育写真で代用)

外来カワリヌマエビ属の一種。褐色や緑、青色など色彩変異が豊富です。在来のミナミヌマエビと似ていますが、頭部の形状や体型等が微妙に違います。釣り餌や観賞用に輸入されたものがいつの間にか広がって、今では日本各地で見られます。どうやらアクアショップやホームセンターで「ミナミヌマエビ」として売られているエビの半分くらいは本種らしく、こやつらのせいで本家ミナミヌマエビやヌカエビ(所謂モエビ)は数を減らしています。

ちなみに、日本にいる外来カワリヌマエビ属の大半はシナヌマエビですが、中には学名すら定まっていない新たな外来ヌマエビも移入しているとか……(´Д`)ハァ…

淡水エビ道は奥が深くて、それでいて恐ろしい………

ここはこのエビばかり大量に捕れたため、移動することに。

 

井草の採集マン氏に案内してもらってやってきたのは一見ごく普通の水路。なんでも、このあたり一体においてとある外来種が増殖しているとか……

 

でかいコイがうようよしている中、とりあえず網を入れてみます。

すると……


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どーん。


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どんどん、ずらり。

そうです、ドンコです。一応ここは東京都なので国内外来種というくくりになります。関東の生息地はこれまでに神奈川県のものしか報告がありませんでしたが、近年東京都でも数を増やしているようなのです。ドンコは在来生息地では数を減らしている場合があるものの、外来種として侵入した場合既存の生態系に大きな影響を及ぼすことが知られています(神奈川県立生命の星・地球博物館,2010ほか )。

採集マン氏によるとこの場所以外にも周辺地域に多く生息しているとか。もはや初期防除の段階ではなさそうです。ただでさえ少ない在来魚類が心配になります。


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一箇所で数十分でこれだけ。いやはや、それにしても捕れすぎでは。痩せ気味だけど普段何をどれだけ食べているのかな。

 

他には……
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カマツカ

大きいね。これも実は国内外来種です。


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でかいコイ

たなごころ氏が仕留めました。服ドロドロにしながらコイと格闘する姿は猛者。

さらにカワムツスジエビ等も見ることができました。

 

……あれ?ほとんど国内外の外来種じゃあないですか。

採集マン氏によると他にタナゴを放流しているおじいさんを見たこともあるのだとか。もうだめだこの水路。

今回はもう一つのポイントでもドンコを採集し終了となりました。

当時(2021年)図鑑や論文には記載されていなかったドンコ。これからの動向に注視せざるを得ません。